この暴君、恋すると手に負えません
「......何ですか?この怪文」
「分からない。悪質な悪戯かとも思ったが、今日開催されるパーティーはメディアにも極秘で行われるものだ。つまり招待状を送った者にしかこの情報は知らされていない」
「じゃ、パーティーの参加者の中にこれを送った人がいるっていう意味ですか?」
「その可能性は高い。だから帝様に万が一の事がないよう、帝様の近くに仕える私とお前で怪しい奴がいないか見張るんだ」
「え!?私もですか!?」
私は驚きの声を上げた途端、桐生さんは眉間に深く皺を寄せて立ち上がり歩み寄った。
「な、何ですか?」
私は思わず身を引き本棚の壁に背中が当たるまで後退りする。すると、桐生さんは片腕をドンと本棚に押し付け、私を見下ろしながらこう呟いた。