この暴君、恋すると手に負えません



そして、私は再び手紙に目を通した。


それにしてもまるで推理小説に出てくる怪盗の予告状のような内容だが、これが悪戯でなければ殺人の予告状になってしまう。


「あと、これは私とお前だけしか知らない。帝様は勿論、他の誰にもこの事は内密にしろ」
「......あ、はい」


ーーとはいっても、なんだが妙な違和感を感じながら私は執事室を後にした。


私は深い溜息を吐き出しながら自室に戻っている途中、ばったり暴君と遭遇してしまった。



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