この暴君、恋すると手に負えません
「......何だこれ、お前よくこんなの食えるな」
ーーこんなの?
その一言に私はお弁当を置いて立ち上がった。
怒りのせいか、握り締めた拳は震えている。
「何だよ?」
ぱんっ
私はやってはいけない事をしてしまった。
そう、あまりの怒りに暴君の頰を思いっきり叩いてしまったのだ。
すると暴君は頰を抑え、目を大きく見開いたまま黙り込んでしまう。
「み、帝様!?大丈夫ですか!?」
暴君の後ろにいつもいる眼鏡の男も、さすがに動揺が隠せず青ざめていた。