この暴君、恋すると手に負えません



すると突然、暴君は笑い声を響かせた。



「ははははは!!」



――な、何で急に笑ってんのこの人!?



あまりの衝撃に頭がおかしくなってしまったのだろうか。

後退りしながら様子を伺っていると、暴君はあの妖艶な瞳で私を見つめた。



「おい、お前。虹美って言ったか?」

「な、何ですか?」

「気に入った」

「は?」



すると暴君は、無礼ながらも私の顔を指差しこう言い放った。



「お前を今この瞬間から俺の婚約者(フィアンセ)にしてやる」




――はい?



< 8 / 409 >

この作品をシェア

pagetop