この暴君、恋すると手に負えません
すると突然、暴君は笑い声を響かせた。
「ははははは!!」
――な、何で急に笑ってんのこの人!?
あまりの衝撃に頭がおかしくなってしまったのだろうか。
後退りしながら様子を伺っていると、暴君はあの妖艶な瞳で私を見つめた。
「おい、お前。虹美って言ったか?」
「な、何ですか?」
「気に入った」
「は?」
すると暴君は、無礼ながらも私の顔を指差しこう言い放った。
「お前を今この瞬間から俺の婚約者(フィアンセ)にしてやる」
――はい?