七色セツナ。1
「なんなの?
なんの嫌がらせよ?
二人三脚って、
肩組むやつじゃん!」
真季乃は
「いいじゃない、恭弥は。
借り物で、手繋いだじゃない」
と言い放ち、看板前の席に逃げる事にした。
「レエエベルが違うだろ!?
体半分、くっついてるやつだろ!!
俺は二人三脚には、うるせーぞ!
コタが花凛ちゃんの肩組んで、
花凛ちゃんはコタの腰に手を回すんだ!
~~~腰って!
腰に手が!!
あー!
しかも!
腕がない分、体が密着する。
・・・必然的に胸が、
胸が当たるだろーーが!!!」
「あーもう、ホントうるさい。
恭弥は……
・・・で?
ここにもう一人、機嫌の悪い人がいるけど?」
で?の後は、
隣にいる人物だけが聞こえるように
声をひそめ微笑んだ真季乃。
「あ?」
朱羽は
長い前髪を面倒くさそうにかきあげた。