七色セツナ。1
side 朱羽
多分。
今思えば、
一目惚れだったんじゃないかと思う。
入学した高校の教室で、
たった4人しかいない
女の中の一人が
俺の右隣に座っている。
その横顔は、
つい最近まで中学生だったとは思えないほど
凛としていて、すごく大人っぽく見えた。
中学の時に、俺に寄ってきてた女は
ひでェ化粧をしたケバい奴や、
わざと上目遣いをしてくるような
作った女。
こんな、凛とした女は、見たことがなかった。
入学式直後の自己紹介
「篠原花凛です。
よろしくお願いします」
・・・やっぱり、
「凛」という字が入っているんだな。
俺は
ちょっと嬉しくなっていた。
そして。
この時から無意識に、目で追ってることに気付いた。
でも、
自分から話しかけるなんて出来なくて。
ただ俺だけが
意識していた数日後---