七色セツナ。1
隣の席ということで、一緒に日直をする日。
よりによって、俺は
遅刻してしまった。
でも、
花凛は文句を言うわけでもなく
一人で授業の号令や、黒板を消していた。
俺は、初めて声を掛けた。
「悪い……」
「大丈夫だよ。
寝坊したの?」
「ああ、スマン」
「ううん、
実は今日の日直、ちょっと面倒かも。
5時間目の
ヤマちゃんの授業までに
15ページの資料
ホチキス留め、人数分。
昼休み潰れるかも……」
「俺がやるよ。
遅れてきて、何もやってねーんだから」
「いやいや、一人じゃ間に合わないよ」
すると、
会話を聞きつけた奴らが集まって来た。
「花凛ねーさん!私も手伝うよー」
「あ、私も手伝うよ」
「んじゃ、俺も」
「みんなで分担してやろーぜ」
「みんな、ありがとう!」
花凛の笑顔に、男の何人かは頬を染めた。