七色セツナ。1
「ん?」
「これから……
花凛って、呼んでいいか?」
言ってから恥ずかしさが
こみ上げてきて、視線を窓の外に移す。
「ふふ。
いいよ。
じゃあ、私も朱羽って呼んでいい?」
「ああ」
その日、
俺が初めてオマエと話した日。
こんなに自然に話せる女は
初めてだったんだ。
「・・・よし、書き終わった。
これ、職員室に出して来るね?」
「・・・俺も行く。
最寄駅は、どこだ?」
「え?」
「・・・送ってく」
同時に。
こいつのそばに居たい、
特別になりたいと
今までに
感じたことのない感情に
気付いてしまったんだ。
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