七色セツナ。1



2人の視線の先には、
アタフタしながら
足に紐を巻きつけている、コタと花凛。


「不思議と、
ウチのクラスの男どもは
誰も告らないわね」


「あ?

他のクラスには、いんのかよ?」


「何人かいたわよ。

無謀な輩が」


「……」


「目立つじゃん。

花凛ねーさん。

大人っぽいし。

で、かわいーし」


「……」


「最初はさ、牽制してくんだよね。」


「牽制?」


「2年とか3年は情報がないでしょ?

だから、1年に頼むのよ。

あの子ってどうなの?って。

で、
そいつだって情報持ってないから、
もう直接言っちゃうんだよね。

”3年の誰々さんが、
好きだって言ってたよ”って」



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