七色セツナ。1
「ちょっと、コタ。
さっきからヤマヤマ、ヤマヤマうるさいよ」
「ウルセー、やましくねェ!」
「いや、ヤマヤマ言ってたよ。
ヤマヤマって誰?
山下さんとか?」
「ぷっ。
何言ってんだよ」
コタが一息吐いた。
「ばーか。
ホラ、行くぞ...手」
「ん?」
「手、俺の腰に回せよ」
「ああ、うんうん」
花凛の手が、コタの腰に触れると、
コタの体がピクっと震えた。
「・・・た」
「ん?
何か言った?コタ」
「肩...に...手、回す...ぞ?」
「うん」
震える手を、なんとか悟られないように、
そっと花凛の肩に腕を回す。