七色セツナ。1
「真季乃はリレーか。」
「花凛ねーさん!」
「男女混合みたいだけど、
バトン越しだから無理じゃないよね?」
花凛は
腕に絡みついた真季乃に微笑んだ。
「クラスの男とは話せるようになったが...
他は、まだダメなんだろ?真季乃」
教卓の前から戻ってきたコタが
少し距離を置いて聞いてきた。
「男なんでゴミ虫よ。
飢えて乾いて死ねばいい」
花凛に向けた笑顔が急になくなり、絶対零度の表情に変わった。
真希乃は男に触れると、蕁麻疹が出る。
それを知ったクラスの男子は全員、
話をする時でも
人ふたり分おいた距離を保っている。
「でも、クラスの男子だけでも
話せるようになったんだから、大したもんだよ?」
「花凛ねーさん……。
ありがたい事にね。
このクラスに、バカはいないから」