七色セツナ。1
無意識
「何を笑ってるの?
ユカ」
宏晃が、
ふんわりと微笑んで、ユカの顔を覗き込んだ。
「宏晃先輩。
今、花凛ちゃんとコタくんが
走ってるんですよ」
「ああ、ユカの代理で
出てくれた篠原さんだね」
「はい。
なんか、
コタくんが焦ってて、おもしろくて」
「ああ、
西園寺...くんだったね」
「彼はウチのクラスの
ムードメーカーなんですよ。
みんなの事、まとめるのも上手だし
今回の体育祭の準備も、
ずいぶん手伝ってくれました。」
「・・・なるほど。」
「コタくんと花凛ちゃんは、
よく喋ってますけど
あくまでも、友達の会話なので……
ああして、
コタくんが密着した事で、
花凛ちゃんの事を
意識しちゃったんじゃないか...と」