七色セツナ。1
閉会式には、宏晃が戻ってきて
総合優勝は1年2組と告げられ、
コタ念願の学食無料券が贈呈された。
リレーの1位を始め、
騎馬戦などの男たちの戦いは負けを知らず
借り物競争や
二人三脚も上位を占め
思わぬ高得点だったのが、
クラスの看板だった。
教室へ戻れば、
担任が泣いて、検討を称えた。
「何、泣いてんだよ!」
「ヤマちゃんは、何もしてねーだろ!」
それを横目に、
既に着替え終わった生徒たちが慰めるという、
いつもの図式。
「ん?」
真季乃が着信に気付き、話し始めた。
「どうしたの?
ーーえ?
ーそうなの?
うん...うん
・・・聞いてみる。
折り返すね」
「どうしたの?真季乃」
そばにいた花凛が
通話の終わった真季乃に尋ねた。