七色セツナ。1
トラブルの予兆
「コタの元カノ?
へー……」
興味を持ったのか、
恭弥は給水タンクから降りて、
コタの前までやって来た。
「で?
そのエリちゃんは、
まだコタが好きなんだー?
で?
コタは?
好きなわけ?
そのエリちゃんを」
恭弥は
コタの肩に腕をまわし、顔を覗き込んだ。
「好きも何も……
中坊の付き合うなんて、
付き合う内に入んねーだろ」
「そんな……
だって、エリは……」
黙って聞いていた
朱羽が口を開いた。
「もし、仮にその女が、
虎太朗とヨリを戻したいと
思っていたとしても
お前が
それを虎太朗に言う権利はあるのか?」