七色セツナ。1



昼休みを終えるチャイムが鳴った。


それを待っていたかのように、
女子3人は俯いたまま
屋上から小走りに出て行った。


「朱羽、コタ、次の時間サボれ。

問題発生だ」


さっきまでの
おどけた声色は失せて
恭弥は低い声を発した。


「ああ。

誰だ?今の」


朱羽が、タバコに火を点ける。


「恐らく、3階のクラスだな。

ああ、あと……

コタの元カノの...友達?」


恭弥が、ニヤっと笑う。


「嫌な言い方すんな」


コタは、エリの事を2人に話した。


「ふーん……

まあ、別れて正解じゃん?

恋愛感情なんて、ないんだし?」


「虎太朗が
ハッキリ言ったんだから、
問題はねーだろうが」


「バカか、朱羽。

俺はコタの元カノの話なんて、
どーでもいーんだよ」


「どーでもいいってなんだよ!

恭弥!」


「俺が心配してんのは……

他に花凛ちゃん、真季乃ちん、
ユカちんの話が出てたからだ」



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