七色セツナ。1




「は?」


朱羽の眉間に、シワが寄った。


「しかも、花凛ちゃんの話題では
コタと二人三脚の時に、雰囲気がよかったとか
朱羽と、いつも一緒にいるとか……

なんで、俺とは噂になんねーのよ!?」


「・・・バカか」


「んだと朱羽!

お前、密かに
顔がニヤケテルかんな?!」


朱羽が口元を手で覆う。


「それもそーだけど……

この間の。

あれ、あの言葉。

あれの意味を、未だに聞けないでいる

俺って臆病なんだと
初めて知ったわー」


「曖昧ってやつ?」


項垂れた恭弥を横目に、
コタもタバコに火を灯した。


「朱羽は?」


朱羽にも目を向ける。


「聞けねェ……」


「なんだよ、お前ら。

情けねーな?」


コタは呆れて、ため息をつく。


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