七色セツナ。1




「俺?」


待ってましたと言わんばかりに、
恭弥がニヤリと笑った。


「俺は
花凛ちゃんが初恋だから」


「は?

マジで?」


「・・・俺、欲情したの、
花凛ちゃんが初めて」


「は?お前!」


「あー、もちろん、
そういうのも含むけど。

欲しいの、すべて。

ふわふわの髪に触れたい。

その瞳で、俺を見つめて欲しい。

その唇に触れたい。

俺の手を握って欲しい。

俺の腕の中に居て欲しい。

その声で、俺の名前を呼んで欲しい。

・・・考えたら、キリがねーわ」


「好きって、そういう事か……」


「そういう気持ちは
なかったんだ?

コタは、その元カノに」


「・・・なかった、な。

触れたい……

とか、考えたこともなかった……

朱羽は?

朱羽の好きってのは……」



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