七色セツナ。1




「そこまで行ったって、
駅まで15分歩けば戻れる」


「ええ!?

歩いて15分?

私、40分は掛かるよ?」


「ユカ……。

非常に残念な
お知らせだけど
ユカと朱羽じゃ、歩幅が違うわ」


真季乃が残念な顔で答えた。


「えええーーー」


現実を見なさい、と言い放つ真季乃と
頭を撫でる花凛をよそに
朱羽、コタ、恭弥は
昼休みの女子達の言葉を思い出していた。



『ユカって女は
生徒会長のお気に入りだよね?』


『1年にも、もちろんいるけど、
2年の会長ファンが
かなり怒ってるらしいよ』



「朱羽、頼むな?」


コタが朱羽の肩に手を置いた。


「ああ、お前らも。

花凛と真季乃を頼むぞ?」


美雪は部活終了後に、
いつも親が車で迎えに来ていると
言っていたから大丈夫だろう。



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