七色セツナ。1
「ごめん、ごめん」
ユカが優等生なだけに、
姉弟には結びつかない。
「ん?
姉ちゃん……
この人と帰ってきたの?」
ユカの後ろに立っていた朱羽に、
そのタケルが気付いた。
「弟か?」
「うん。
あ、朱羽くん。
弟のタケルだよ」
「・・・も、もしかして……
朱羽って……
倉沢朱羽...さんですか?」
「・・・ああ」
「あれ?
タケル、
朱羽くんのこと知ってるの?」
「う...ウソだろ?
なんで姉ちゃんが
朱羽さんと一緒にいるんだよ?」
タケルの顔色が変わった。
「え?
だって、同じクラスだし。」
「はーーー!?
姉ちゃん!
なんでそんな大事なコト
言わねーんだよ!?」
「え!
そんなに大事なコトなの?」
「あのっ!
改めまして!
木野沢タケル、中3です!」
タケルは腰を折り、
しっかりと頭を下げる。