七色セツナ。1
「ああ」
「お会いできて、感激です!
いやー...噂以上に、いい男っすね?
俺、来年絶対に夜天ーー」
「タケル」
朱羽が遮る。
朱羽が、タケルの耳元で
「姉ちゃんには内緒にしとけ。
心配かけんな」
「は、はい!!!
失礼しました!」
「え?何、なんなの?
朱羽くんて、有名人?」
「そんな事ねーよ?
なあ、タケル」
「は、ははい?
ーーしゅ、朱羽さんが
俺の名前を2度も...」
「もう!なんなの?」
「ユカ。
帰りは、なるべく今日みたいに
迎えに来てもらえ。
家に着いたら
花凛か真季乃にメールしとけ」
「あ、うん。
分かった」
「じゃーな」
朱羽は
駅の方に歩いて行った。
「姉ちゃん……
俺、姉ちゃんを尊敬するわ」
朱羽の背中を見つめながら、
タケルがボソッと呟いた。
「もう!なんなのさ!」