七色セツナ。1
「2時間」
花凛は指を2本立てた。
「マジかよー!!」
と、金髪頭を抱えたコタと呼ばれた男の後ろで
カシャっという機械音がした。
「・・・おい、恭弥(キョウヤ)。
今、花凛のこと撮ったろ?」
花凛の左隣に座る、長めの黒い前髪をかきあげた男が
金髪コタの前に座る
恭弥と呼ばれた、銀髪の男を睨んだ。
「ベストショット。
マジかわいーわ、花凛ちゃん」
その恭弥は
黒髪男に睨まれていることなんて気にせずに
「保存、保存~」
と呟いていた。
「チッ」
黒髪男は
舌打ちをしながら、花凛をチラッと見た。
「いーよ、朱羽(シュウ)。」
花凛は頬杖をついて、ため息をついた。
「朱羽。
恭弥は、花凛の写真専用フォルダあるぞ」
頭を抱え終わったコタが、朱羽に教える。
「あ?マジか……」
眉間に皺が寄っているだろう
そこは、長い前髪によって、
綺麗に隠されていた。