七色セツナ。1



皆が、黒い恭弥を見るのは2度目。


入学して数日。


理科実験室での授業は、
初めて、この教室を使うこともあって、
皆片付けに戸惑い
チャイムが鳴ってもクラスに戻れなかった。


片付けが終わって、
実験室を出る時
次に、この教室を使う2年生が廊下で待っていた。


「おー、やっとかあ」


誰かが発した言葉に、


「お待たせしました」


一番近くにいた、
頭を下げた花凛を見た2年生数人が、
ニヤリと笑った。


「え、君1年なの?」


「うわー大人っぽいねえ」


「ねー名前は?

名前教えてよ」


「えっ?

あ、いや...その...」


明らかに下卑た顔をする男達に戸惑った。


男たちの中の一人が


「エロい身体...ヤリてーな」


と言って、手を伸ばした瞬間ーーー



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