七色セツナ。1
「ユカに興味を持ったら、
欲しくなるまで
時間は掛からなかった。
始めに言ったよね?
気に入ったものしか
欲しくないって。
どいつもこいつも、
僕の妻という座に着くために、
金をかけて着飾って、
偽物の笑顔を見せられる。
反吐がでるよ。
ユカに会うまでは、
婚約話を適当に選んで
遊ぶつもりだったが……
ユカを妻にする事を
考え始めたら楽しくてね。
確かにユカは普通の家の子だ。
でも、頭が良い。
この学校で、いい成績を修め、
大学で経営学を学ばせる。
卒業後はMBAを取らせ
僕と一緒に企業経営、結婚だ。」
「そんなに上手く行くの?」
そう言いながら、恭弥は楽しそうだ。
「大学、MBA取得にかかる費用は僕が出す。
ユカの家に
負担はかからない。
就職先も決まっている。
そして、行先は副社長兼社長夫人だ。
これを断る理由があるか?」