七色セツナ。1




「会長の家の人は?

反対しないの?」


もう恭弥は
興味津々のようだ。


「片瀬グループを立ち上げたのは、僕の祖父だ。

今は息子の親父に
任せているが、
株のほとんどは祖父のもの。

親父は
起業家としては優しすぎてね。

どうやら
祖父の考えに近いのは、僕の方らしい。

この話をしたら、
たいそう喜んでくれたよ

女を自分の願い通りに
持っていくのは、
男の器が試されるらしい。

それを期待してるんだ。

もちろん、
ユカの事を愛しているのが前提だけど。

来年から港街に...
ああ、倉沢くんの家の近くだね

海を見下ろせる
高級マンションを建設する案がある。

祖父が僕に、
この仕事を任せてくれるらしい。

僕とユカの新居に……

と考えたら、楽しみで仕方がないよ」



< 202 / 318 >

この作品をシェア

pagetop