七色セツナ。1
「会長の家の人は?
反対しないの?」
もう恭弥は
興味津々のようだ。
「片瀬グループを立ち上げたのは、僕の祖父だ。
今は息子の親父に
任せているが、
株のほとんどは祖父のもの。
親父は
起業家としては優しすぎてね。
どうやら
祖父の考えに近いのは、僕の方らしい。
この話をしたら、
たいそう喜んでくれたよ
女を自分の願い通りに
持っていくのは、
男の器が試されるらしい。
それを期待してるんだ。
もちろん、
ユカの事を愛しているのが前提だけど。
来年から港街に...
ああ、倉沢くんの家の近くだね
海を見下ろせる
高級マンションを建設する案がある。
祖父が僕に、
この仕事を任せてくれるらしい。
僕とユカの新居に……
と考えたら、楽しみで仕方がないよ」