七色セツナ。1




「そこまで……」


コタが絶句する。


「物事に、完璧はない。

だけど、
完璧にするための努力をする。
その努力を怠る者の手は、何も掴めない。

ーー祖父の教えだ。」


この完璧過ぎる程の
”先輩”の言葉に、
3人は吸い込まれていた。


「ユカと添い遂げると
決めた日から……

自分の持っているもの
全てを惜しみなく使う。

金も大事だが……

この学校で1番使えるもの、それが権力だ。

ああ、話が戻ってしまった。

まあ。

これから、よろしく頼むよ?」


「ホントに
ユカちんが好きなんですねぇ」


恭弥のニヤニヤが止まらない。


「本人は
全く気づいていないんだけどね。

まあ、そこが堪らなく
愛しいところでもあるんだけど。

・・・本人に気付かれぬまま、
僕のレールの上に
乗せるのも面白いかもね」



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