七色セツナ。1



そして、夜になれば、
仕事を終えた仲間たちがやって来る。


チームの奴らが。


ウチの敷地は、
たくさんの車と
色とりどりの単車が集まる。


「朱羽。

教習に通ってんだって?」


兄貴のツレ、
蒼夜(ソウヤ)さんが、
帰宅早々話しかけてきた。


蒼夜さんと
兄貴の付き合いは長い。


直感で動く兄貴とは対照的に、
分析して動く蒼夜さん。


2人が上手く噛み合えば、
怖いものはねェって
誰かが言ってた。


蒼夜さんは大学生だが、
パソコンに詳しいらしく
事務処理をしている母親と、
2人の兄貴の仲間では
できない仕事の
サポートを無償でしている。


「お疲れです。

今日も呼ばれたんすか?」


「給与計算を
楽にしてやろうかと思って。

恵衣が働きだしたら
現場も従業員も増えたろ?」


「事務員、
入れたらいいんじゃないっすかね?」



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