七色セツナ。1
「えええ!
ちょっと花凛ちゃーん」
「ん?
どしたの?」
「俺のハナシ聞いてた?
俺のお願い事」
「ああ。
はい、じゃあこれ」
ポケットから
飴をひとつ、恭弥の手に乗せる。
「やったあ!
いちご味~」
ちょうどチャイムが鳴り、
恭弥は
ご機嫌で自分の席に着いた。
「単純な奴だな」
そう言うコタも、
教師が入って来た事に
よって前を向いた。
「花凛」
朱羽に呼ばれ、
隣りを見ると起立の号令。
「ん?」
「礼ーーー!」
今日の日直は、ミツヤのようだ。
なんとも元気がいい。
着席と同時に
「俺にもくれよ」
と、朱羽が手を出す。