七色セツナ。1

VIPルームの客





「コタ!」


花凛が
コタの顔を覗き込んだ。


「なっ、なんだよ!」


「なんだよって、
もうblueに着いたけど?」


「え?」


「どうしたの?コタ」


「え?blue?

いつの間に……」


「急ぐからって、
バスに乗って来たじゃないの。

覚えてないの?

もしかしてコタも熱ある?」


花凛の手が、コタの額に触れようとした。


「ちょ、ちょっと待て!

熱はねーから!」


コタの体が、大きく仰け反った。


「・・・そう?

顔が赤いような気もするけど。

ヤマちゃんに
よっぽど怒られたんだね?

そんな放心状態になるくらい」


「……」


「勉強もしないとダメだよ?」


「あ?

ああ……」



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