七色セツナ。1
「……」
まだ花凛は
困惑した表情のまま。
「オーナーの
ユヅルさんも知ってるし、
俺達2人とも
中山さんと、仁坂さんの後輩なんだ。
だから、素性は
しっかりしてるから!」
蒼夜と名乗った
ミルクブラウンの髪の男は
身振り手振りがオーバーになってきた。
「・・・花凛です」
爽やかな人が、
焦っているのが申し訳なくなり、
自分の名を答えた。
「カリン?
・・・どういう字を書く?」
黒髪の恵衣が、
花凛を真っ直ぐに見つめる。
「花が凛と咲く、と書きます」
「いい名前だな」
恵衣が微笑む。
「ありがとうございます」
「これは、仁坂さんが作ったのか?」
目の前に置かれた
おにぎりを見て、恵衣が聞いた。
「いえ、私が作りました。
苦手なものがありましたか?」