七色セツナ。1
「全部違うね?」
蒼夜が
おにぎりを、まじまじと見る。
「鮭と胡麻を混ぜたものと、
昆布と鰹節を混ぜたものと、
こちらは
中にタラコが入ってます。
お口直しで、きゅうりの浅漬けです。
お茶漬けの方は、
辛いのがお好きと伺ったので、
チャンジャにしました。
こちらのお茶をかけて、
お好みでごま油をどうぞ。
お口直しは、だし巻き玉子です。
甘いものは苦手かなと思って、
あえて
だし巻きにしました。
甘くないですよ?」
恵衣も蒼夜も、
ぼーっと料理を見ている。
「あ、
お嫌いなものが
ございましたか?
別なものに取り替えましょうか?」
「い、いや全然!
なんか...凄いなって……」
蒼夜が我に返る。
「では、失礼します。
あ、何か
お飲み物をお持ちしますか?」