七色セツナ。1




「ああ、俺は温かいもの」


恵衣が答えると


「おにぎりですので、
ほうじ茶をお持ちしますね。

こちらは……

お茶漬けですから、
冷たいものの方が良いですか?」


と、蒼夜に聞くと


「あ、うん。

その方が」


「では、冷たい烏龍茶をお持ちします」


花凛が出て行こうとすると


「花凛」


恵衣が呼び止めた。


「は、はい」


普段より高い声が出た。


恵衣の力強い眼差しに、
緊張していた自分に気付いた。


「飲み物は、
仁坂さんか中山さんに持たせてくれ」


「分かりました。

少々お待ち下さい」


花凛が出て行くと、徐に蒼夜が口を開いた。



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