七色セツナ。1
ノックもなく、扉が開かれた。
「お客さーん。
俺は調理担当だから、
本来こういうのは、運ばねーのよ?」
「仁坂さん、こんばんは。
ご無沙汰しています。」
「おお、蒼夜。
相変わらず
ワガママ恵衣に
振り回されてんのか?」
「中山さんじゃなくて、
仁坂さんが来たんですね?」
「カウンターが、人手不足なんだよ。
今日は中山さんが、
カウンターの責任者だしな。
・・・それで、何だよ?
先輩を呼び出しやがって」
「仁坂さんは、いいんですか?
戻らなくて」
「なんかあんだろーが、話が。
休憩もらったから心配すんな。
蒼夜、タバコくれ」
「はい」
ソファに
どっかりと座った仁坂に
蒼夜がアメスピを渡す。
それに火を点けると、恵衣を見た。
「で?
なんだよ?
恵衣」