七色セツナ。1
「ハア...」
仁坂が
大きなタメ息をつく。
恵衣の射るような視線に、
観念したように口を開いた。
「・・・桜蘭に行ってる1年生だ。」
「桜蘭?」
蒼夜が
びっくりした顔で尋ねる。
「ここのお嬢の友達だ。
そして...朱羽ともな」
「朱羽!?」
恵衣も蒼夜も、仁坂を凝視する。
「他に、
ほとんど毎日バイトに入っている
虎太朗ってのもそうだ。
花凛は、週2~3くらいで来てる。
その時に良く来ているのが、恭弥。
こっちは
わざわざバイト上がりを待ってやがる。
この2人と朱羽で、面接に来たみたいだ」
「朱羽も来た事あんのか?」
恵衣の表情は固い。
「朱羽は
この時だけだな、ここに来たのは」