七色セツナ。1
「いや、そういうのじゃなくてね……。
シャツのボタン、
胸まで開けてるじゃん。
その辺りから
フェロモンが凄い……」
「恭弥、ボタン閉めろ」
朱羽が恭弥を睨む。
「花凛ちゃん、誤解しないでね?
フェロモン出すのは、
花凛ちゃんだけに、だからね?」
「出すな、そんなもん」
「いや、朱羽さん。
朱羽さんも、かなり出てますぜ」
花凛が朱羽を指差す。
「朱羽、ボタン閉めろ」
恭弥が朱羽を睨む。
「あ、コタ!
おはよー」
コタが教室に入って来た。
「お!
お、おお……」
「コタ、ボタン閉めろ」
「虎太朗、ボタン閉めろ」
朱羽と恭弥の声が、重なった。