七色セツナ。1




「あー、言いすぎたか……?」


逃げるように走って行く2人を、
冷たい目で見ていた
朱羽がポツリと呟いた。


「ふっ」


朱羽の
”言い過ぎた”?
言葉を聞いていた恭弥は微笑んだ。


「朱羽。

オメーは無表情で、普段何考えてるか
わかんねー
つまんねー奴だけどよ」


「……」


「今のは良かったぞ」


「……」


朱羽は何も答えず、ふと教室の中を見る。


花凛と真季乃が美雪に
何か言っていて、
美雪はちょっと
泣いているようだった。


花凛が美雪の頭を撫でている。


美雪は花凛が何かを言う度に、一生懸命頷いていた。


「・・・けどな……」


朱羽が恭弥に振り向いた。


「花凛ちゃんを見る
その瞳(め)は気に入らねーな」


「!」


朱羽と恭弥の視線が交差する。



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