七色セツナ。1
その矛先は。
「花凛」
仕込みが終わろうとした頃、
仁坂が花凛に声を掛けた。
「昨日、VIPルームの接客しただろ?」
「はい」
「基本的に、
VIPルームの客については、他言無用。
スタッフでも、
誰でも接客していいわけじゃないんだ。
プライベートな時間を大事にしたいから、
高いカネ払って
VIPルームに篭るんだし。」
「なるほど。」
「オーナーの承諾がないと、
VIPルームは使えないんだ。
それだけのお客様だから、
他人に喋られたら困るわけ」
「了解しました。
・・・でも、私もう出番は
ないと思いますよ?」
「いや……
また有りそうなんだよなあ……
今日はないけどな。
とりあえず、そういう事。
後で虎太朗にも言っとくから」