七色セツナ。1
「美雪。
お前は元々
地元が遠いから、送り迎えは
親がやってるな?」
「う、うん。」
「親が迎えに来られない時は?」
「いつもお母さんだけど、
ダメな時は、姉か叔母が……」
「よし。
もし車の送迎がない時は言え。
部活があっても、なくてもだ」
「はい……」
真剣な朱羽の迫力に、
美雪以外、誰も口を開けないでいる。
「次にユカ。
恭弥。
会長との間で、決まった話を言え」
「ユカちんが、
危ない目にあった事を
重く見た会長は
ユカちゃんの送迎を、
片瀬家が行う事を決定しました!」
「え!?会長が?」
真季乃を始め、クラスメイト達が驚く。
「片瀬家は
学校の裏の方の高級住宅街だよね?
駅南方面のユカの家と
反対側でしょ?」
真季乃がユカに聞くと、
ユカが答えるより早く恭弥が答える。