七色セツナ。1
笑顔を取り戻した美雪を見送ると、
教室も廊下も
誰もいなくなった。
朱羽と花凛だけが、ぽつんと取り残された。
「ねえ。
さっき、なんて言ったの?」
「ん?」
「さっきの女の子たちに。
なんて言ったの?
朱羽が何か言ったら、
急に走って行っちゃったよね?」
「・・・聞きてーのか?」
「えっ?
うーん……
聞きたいような、
聞きたくないような……」
そう言って唸りだした花凛の左隣り
”定位置”
に、朱羽は立つ。
朱羽は、フッと笑って花凛の頭に手を置いた。
「どうしてもって言うんなら、教えてやるよ。
それよりホラ、行くぞ」