七色セツナ。1

side 虎太朗




side 虎太朗



一体、
あのキスは
何だったんだろうって、
あれからずっと考えている。


でも、いくら考えても、
無意識だったって事くらいしか、
分からない。


花凛は
まったく気付いていない。


学校でも、blueでも、
何ひとつ変わらない。


「ねえねえ、
あの人、カッコ良くない?」


繁華街の通りに出ると、
雑貨屋の店先にいた女たちが
こっちを見ている。


「あ、後ろにいる人も
かっこいいよ?」


「ホントだ。

・・・あの子、どっちの彼女かな?」


「やっぱり、隣にいる黒髪のほうじゃない?」


朱羽は、花凛の左隣りにいる。


・・・いつも、そうだな。


そう言えば、
誰かが
そんな事言ってたっけ……


「なんか、お似合いだよね?」


そんな声が聞こえて来て、
更に一歩
二人から離れて歩く。



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