七色セツナ。1
ホントだよ。
後ろから2人を見ていると、
いい距離感が生まれていて
思わず背中を凝視する。
blueからの帰り道、
俺も花凛と並んで歩くけど...
ーーこの疎外感は、なんだ?
いつの間にか、
女たちの声は聞こえなくなり
そこから随分、歩いていた事に気付いた。
花凛の隣りに、朱羽がいるだけで、
身体にダルさを覚えるのは
なんでだ?
「花凛、危ねェ!」
突然、朱羽が叫んだ。
前から来ていた自転車に乗った男が、
スマホに気を取られ
花凛に向かって、突っ込んできた。
朱羽が花凛の右肩を抱き
、自分の方へ引き寄せた。
「おい!
テメエ!危ね...なんだ?」
朱羽は
自転車の男に怒鳴ったが、
なぜか俺を見ている。
なんだって、なんだよ?
俺も朱羽の顔を見たがーー
俺の右手は、
花凛の背中に添えられた、
朱羽の右腕を掴んでいた。