七色セツナ。1
月に叢雲花に風
生徒会室の扉がノックされた。
「誰?」
宏晃が
扉に視線を向ける。
「こんにちは。
会長」
恭弥が
扉の隙間から
ぴょこんと顔を覗かせる。
「今って、大丈夫?」
「ああ、藤谷くん……
大丈夫...と言うよりも……
待ってたよ?」
宏晃は、優雅に笑う。
「あ。やっぱり?」
「ユカは?」
「フフ……
拗ねてはいたけど、大丈夫。
教室で待ってるよ?
どんな魔法を使ったの?
俺も使えるなら
使いたいんだけど?」
「・・・使う気があるなら使えるさ」
宏晃と、恭弥の2人しかいない
生徒会室の扉が、パタンと閉まった。