七色セツナ。1




「ごめん……

重いよね?」


「俺は
重くねェけど……

オマエには、重いだろうな?」


分厚い月刊少年誌だけ
購入するつもりが、
予約していた本が、数冊入荷済み。


更に、新刊を何冊か購入。


大きな袋に
どっさりと本が入っている。


それを見た朱羽が


「なんだ?その量は」


と呆れたものの、
しっかりと
それを持ってくれている。


電車に乗り込んだ今も、
席が空いていれば
座って膝の上に置けるのに、
退勤時間帯に重なってしまい、
学生だけじゃなく、
サラリーマンやOLで溢れている。


朱羽と花凛は
ドアの脇に立っていた。


朱羽が降りるK駅に近付くと


「ありがとう、朱羽」


花凛が
荷物を受け取ろうと手を伸ばした。


「いや、いい。

家まで持って行ってやる」


「え?

だって、朱羽は
ここで降りるじゃん」



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