七色セツナ。1
電車が、K駅に着いた。
電車を降りた朱羽が
ホームを歩いていると
「朱羽!!」
それぞれ
制服の違うヤンキーが二人、
朱羽の背中に声を掛けた。
ゆっくりと振り向いた
朱羽の目を見た二人は、
一瞬動きを止めた。
「お、お前……。
久しぶりに見たな...その目」
小中と一緒の、地元の仲間。
少なくとも、高校に入ってからは、
その目を見ることはなかった。
「朱羽も丸くなったな」
「朱羽は大人になった」
と、地元の仲間達は
言っていたのだがーー
「・・・なんか、あったのか?」
問いかけても、一言も話さない。
二人は朱羽の両脇に立ち、
自分達が乗る港線のホームに
向かって歩く。
向かいから来る人々が、避けて行く。
久しぶりに感じる
朱羽の危うい雰囲気に、
二人は様子を伺っていた。
これは、ヤバイんじゃねーか?
と、二人は目配せする。