七色セツナ。1
当然ながら、地元で喧嘩を
ふっかける奴なんて
いなかったが
時々、市外のヤンキーが
喧嘩を売ってきた。
朱羽は
負けたことがない。
ケガを負ったこともない。
俺は、朱羽ほど
強い男を見た事がない。
いつも冷めている瞳を
じっくり見た奴も少ない。
それを
前髪で遮断しているからだ。
俺と、もう一人のツレ、
大輔の3人は有名になってた。
高校は、3人共バラバラになった。
高校に入ったと同時に、
俺と大輔は夜天使に入った。
当然、朱羽も入ると思っていたが
未だに
朱羽は頑なに拒否している。
しかも、朱羽は丸くなった。
時々、笑うようになった。
雰囲気が柔らかくなった。
それは皆が感じ、驚いていた事。