七色セツナ。1
偽りの笑顔
今日の空は、厚い雲に覆われている。
もうすぐ、
夏がやって来るというのに、
まるで真冬の空のようだ。
もしかしたら、
本当の空の色は、
幻だったんじゃないかと。
これが本当の空なんじゃないかと
思えてしまう程、
この場所...屋上は、くすんだ色をしていた。
扉が開いた。
「やっぱりいた。」
そう言いながら
ポケットからタバコを取り出した
恭弥が、2人に近付く。
「おめーら、今日
教室来てねーだろ。
しかも何だ!
この吸殻の量は!?」
その2人……
朱羽とコタの足元には
朝から今、4時間目までの
吸殻が大量に転がっている。
「いくら教師どもが
来ないって言っても、
これはヤバイでしょー?
この量、どうやって処分しよっか?
濡らして、空きペットボトルに
詰めて運ぶか...」