七色セツナ。1
二人が屋上にいると言っても、
仲良く並んで座っているでもなく、
微妙な距離感があった。
「昨日……」
恭弥が発した
その言葉に、2人の肩が揺れた。
「港で
喧嘩があったらしいな?」
「……」
朱羽は
何も答えない。
「15対3。
いや……
15対ほぼ1...だって」
「……」
「ボロボロになって
休みなのかと思ったら、
”ほぼ1の人”擦り傷さえないね?」
「……」
「花凛ちゃん絡みじゃねーだろうな?」
「・・・違う……」
花凛の名前が出て、
思わずコタは顔を上げた。
「ちゃんと、送ったんだろ?」
「ああ。」
「何もなかったんだろ?」
「・・・何も、ねェ」
朱羽は
またタバコに手を伸ばす。