七色セツナ。1




「夜天使の頭のモノ……?

関係ねェよ、そんなの。

それに...お前なら、なれんだろ?」


「……」


朱羽は、恵衣から目線を逸らした。


「聞いたぞ、昨日の事。

大したもんだ。

15人なんて。

お前なら、誰も文句は言わねェよ。

いい加減、
仕事一本にさせてくんねェか?

俺ももう、ハタチだ。

さっきも言ったが、
大口の契約が決まりそうだしな」


「………」


「まあ、いずれ
そうなる事だ。

それと、
いつも言ってること、忘れんなよ?」


「ああ」


「単車に乗せる女は、
生涯添い遂げると決めた女だけ。

怪我させて...傷が残ったら、
男の責任だからな?」


「分かってる……

結局兄貴は、
誰も乗せたことねェな?」


「そういう女がいなかったな。

まあ、あいつが乗りたいって
言ったら乗せるかな」


「大事な女なんだな?

俺も……

乗せるのは、一人だけだ」



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