七色セツナ。1



中山が
ビールを運んできて、
恵衣と蒼夜に気付いた。


「久しぶりだな?」


「中山さん、お久しぶりです」


蒼夜が頭を下げる。


「おい、これ配っとけ」


中山が
持って来たビールを
近くの男に渡すと


「はい!」


と言って配り始めた。


「職務怠慢じゃねーのか?」


恵衣が笑う。


「相変わらずだな?恵衣。

相変わらず……

生意気なヤローだ」


「でも、なんだかんだ言って、
恵衣は中山さんの事、
尊敬してますから」


「俺、中山さんに拾われたからな」


「ああ……

今更、後悔してるよ。

まさか
ここまで大きくなるなんてな?」


中山が部屋にいる男たちを眺める。


「それで?

珍しいな?

この店使うの。

遠いから面倒だって言ってた
お前が……

・・・仁坂が言ってた事は本当か?蒼夜」



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