七色セツナ。1



「蒼夜さんも。

シワになりますよ?」


花凛が両手を出すと、
蒼夜は恵衣に睨まれ


「あ、ああ。

自分でやります……」


「そうですか?

・・・あ、恵衣さん」


「なんだ?」


蒼夜に向けていた敵意を
消し去った。


「あとで、
しわ取りスプレー持ってきますね。

クリーニングに出すにしても
傷んだままでは
生地が持ちませんよ?」


「・・・花凛」


「はい?」


「いや……

ビールを頼む」


花凛が出て行くと、
パーティールームが
ざわつきだした。


夢でも見ているんだろうかと
言う者までいる。


中山の表情が、厳しくなった。


「恵衣、どうするつもりだ?」


「花凛は、男がいるのか?」


「さあな。」


「ま、いても、関係ねーけど」


恵衣は
ビールを一気に飲み干した。




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