七色セツナ。1




「なあ、花凛。

今日俺は、
ひたすらグラスを洗って、
ひたすらそれに
ビールを注いでいる」


「でしょうね」


カウンターでは
予想通り、コタが悲鳴を上げていた。


「もういっそ、
ビールサーバーを部屋に備え付けたら
いいんじゃねーか?」


「バーテンが言うな」


モチダに怒られるコタ。


「おう、虎太朗。

俺が代わってやるから、
まかない食って、休憩しろ」


厨房から、仁坂が出て来た。


「え、いいんすか?」


「30分だぞ。

厨房で食え。

タバコは裏口な」


「はい。

じゃ、お願いします。

あ、花凛、
グラス足らねーから、下げて来てな?」


「うん、分かった」


コタは厨房へ。


花凛は
パーティールームに向かった。



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